今夜、あなたの胸で……《完全版》
「ちゃんと、好きだから」



琉生の瞳を真っ直ぐ見ながら、わたしの中の気持ちを伝える。


けれど、琉生はそんなわたしを見てふっと笑った。



「何が可笑しいの?」


「可笑しいに決まってんだろ。そんなのただの思い込み」


「違う! わたしはっ……」



悠貴のことが好き、そう続けようとしたわたしを遮るように、琉生は素早く立ち上がってわたしをぎゅっと抱き締めた。



「ちょっ……何するの!?」



抱き締める腕にさらに力を込めて、わたしの髪に鼻先を埋めた琉生は信じられない言葉を口にした。



「俺は、ずっと……子供の頃からずっと……彩未のことが好きだったよ」


「え」
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