今夜、あなたの胸で……《完全版》
「彩未、好きだ。このまま俺のものになれよ」



静かに諭すように、けれど力強く熱い瞳を向けながらそう言って距離を詰めてきた琉生を拒むことができず……


ううん、違う。
できなかったわけじゃない。


自らの意思で、それを……キスを受け入れたんだ。


そしてやさしく啄むようなキスが、次第に貪るような激しいものに変わっていく。


それと同時に、琉生の手が後頭部と腰に回りぐいっと引き寄せる。


イケナイと思いながらも、いつの間にかわたしは琉生の背中に腕を回して、ぎゅっとしがみつくように抱きつきながら、それを受け入れていた。
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