今夜、あなたの胸で……《完全版》
「いつまでそうしてんの?」



ドアから顔を覗かせてそう言ってきた琉生は、わたしの腕を掴んでそのまま中に引っ張り込んだ。


その勢いで琉生の胸に顔がどんっとあたる。



「いったー」



鼻をぶつけたせいで、鼻の奥の方がツーンとなる。


けれどそんなのお構いなしに、琉生はわたしをぎゅっと抱き締めた。



「彩未……俺のものに、なってくれるよな?」



そう言って、琉生はわたしの髪に鼻先を埋めて、その場所にキスを落とす。


その柔らかい感触にわたしの心臓はどくんっと大きく音をたてた。


ゆっくりと顔をあげると、こっちを見ている熱い瞳とぶつかった。


その瞬間、すぐに気持ちの切り替えなんてできないと思っていたのに、わたしの胸の中は一気に琉生で一杯になった。
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