今夜、あなたの胸で……《完全版》
だけど一方通行の想いを抱えているだけなら、琉生のことを好きだと言っているファンの子たちと一緒。


これからはこうやって会うこともできないんだ。


そう思うとまたぽろぽろと涙が溢れてきた。


そんなわたしに琉生はやさしく声をかけてくる。



「なあ、彩未。さっき言ったこと、もう一回言ってみて」


「……え?」



さっき言ったこと?


それって、わたしが勢いのままに叫んでしまったことのこと?



「……」



いやいやいやいや、あれはさっきのあの勢いがあったから言えたことで。


今はもう言えないよ。


だから首をぶんぶんと横に振る。


そしたら琉生は、はーっと大きめの溜め息をついた。



「じゃあ……俺から話してい? つーか、話すから」



わたしが、嫌だ、と言うのがわかっているかのように、琉生はわたしの答えを聞かずに話し始めた。
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