あの日ぼくらが信じた物
 その夜ぼくは、改めてふたりのことを考えていた。みっちゃんを楽しい気持ちにさせてあげれば、彼女は長生き出来るかも知れない。

そしてその間に画期的な治療法が出来て、みっちゃんは普通にぼくと生きていける、いや生きていくんだ。


「みっちゃん。ぼくがみっちゃんを長生きさせてあげる。絶対早死になんかさせない!」


 ぼくはそう呟いて決心を新たにしたんだ。



次の日───────



「おはようございまぁす」


 ぼくは休みにしては随分早起きをしてみっちゃんを迎えに行った。ぼくだって一秒でも長く彼女と一緒に居たかったから。


「おはよう、あきらくん。光代ね、今日は中々本調子にならないって悔しがってるわ?」


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