あの日ぼくらが信じた物
「本調子じゃないって、みっちゃん具合悪いんですか?」

「ええ。お薬が強いから、どうしても体調をくずしがちなの……最近は特に、ね……」


 みっちゃんママは辛そうに顔を歪めて言う。


「あの……みっちゃんはあとどれ位……」


 その先は言葉にできなかったけど、ぼくは思い切って聞いてみたんだ。


「……あきらくんには言っておかなきゃいけないわね。

 実は……もういつその時が来てもおかしくない状態なの。お医者さんからは『高校には行けないだろう』と言われて……グスッ」

『ママぁ〜? どこ? 大丈夫になったわ? お洋服出してぇ?』

「ああ、光代が呼んでるから行くわ? このことはあきらくんの胸にしまっといてね?

 はぁぁい、ちょっと待って? あきらくん来たわよぉ」


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