あの日ぼくらが信じた物
「それでどうする? これから行くんじゃかなり時間が掛かるけど……」

「お願いしていた写真、有るかしら」


 川田さんは「勿論有るわよ。中山さんから送って貰ってあるわ」と、バッグから数枚の写真を取り出した。


「久美ちゃん、悪いんだけどお友達に連絡取って欲しいの。写真の時間に行くって」

「えっ? 中山さんに? ああ、石で跳ぶんだ。ホントなのねぇ……どうもピンと来なくて」


 みっちゃんは川田さんの友達の中山さんから、近所の公園に有る花時計が写っている写真を貰っていた。

待ち合わせの時間に遅れない為だそうなんだけど……。


「あきらくんこの石はね、多少なら時間を戻ることも出来るの。

 ここに来るのにも時差を全く感じなかったでしょ?」


 確かにそうだ。南の島に行った時も今も、普通に昼間の現地に跳んでいた。

時間を操ることが出来なければ、そこに着くのは真夜中だということも有り得る。


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