あの日ぼくらが信じた物
「あ、この子もう歯が生えてきてる」
満腹になったのか、甘えてすり寄ってきた子猫を胸に抱き、いじくり回していたみっちゃんは、その小さく尖った歯を発見していた。
「可哀想に。ほら、しっぽ曲がっちゃってる」
そうして一匹だけ捨てられていた原因と思えるそれを見て、彼女はまた眉毛を下げた。
「あきらくぅん」
「だっ! 駄目だよ! 獣医なんてぼくらの小遣いじゃとてもとても」
「………?」
みっちゃんの瞳にぼくが写っている。さっき迄せつなそうだった彼女の大きな瞳は、まるで争うように生い茂ったその睫毛と共に瞬きを繰り返す。
そんな可愛い顔して見詰めたって駄目だ。譲れない事だって有る
「何恐い顔してるの? しっぽが曲がってるから、ニャン子の名前をマーガリンにしようと思ったんだけど?」
満腹になったのか、甘えてすり寄ってきた子猫を胸に抱き、いじくり回していたみっちゃんは、その小さく尖った歯を発見していた。
「可哀想に。ほら、しっぽ曲がっちゃってる」
そうして一匹だけ捨てられていた原因と思えるそれを見て、彼女はまた眉毛を下げた。
「あきらくぅん」
「だっ! 駄目だよ! 獣医なんてぼくらの小遣いじゃとてもとても」
「………?」
みっちゃんの瞳にぼくが写っている。さっき迄せつなそうだった彼女の大きな瞳は、まるで争うように生い茂ったその睫毛と共に瞬きを繰り返す。
そんな可愛い顔して見詰めたって駄目だ。譲れない事だって有る
「何恐い顔してるの? しっぽが曲がってるから、ニャン子の名前をマーガリンにしようと思ったんだけど?」