悲しみの涙を
沖田さんは一瞬目を見開いたあと、声をあげて笑い出した



「あははは!…君面白いね。普通、皆怖がって隊士は必要以上に僕に関わろうとしないんだけど…」


「確かに…最初は怖かったです。」


「まあ、安心しなよ。君が新撰組の敵でないなら斬ったりはしないから」


さっきとは違う妖しい笑みを浮かべる沖田さんを見て背筋が凍りつきそうになる。


「…袴持ってきたぜ」


障子を開けて藤堂さんが入ってきた。


「じゃあ、僕はもう行くね。おやすみ」


「おやすみなさい」


沖田さんは手を振って部屋を出て行った。


「総司と仲良いの?」


藤堂さんは不思議そうに聞いてくる。


「いえ、少しお話ししていただけです。」


「そっか、これ袴なんだけど着方は分かるか?」


「はい。ありがとうございます。藤堂さん」


剣道をアメリカに行くまではやっていたから一応着方は分かる。


藤堂さんは頭をかきながら私を見る


「平助でいいよ。歳も近そうだし、敬語も使わなくていいよ。」


「分かった、平助。」


平助は満足そうに頷くと私の横に袴を置く。





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