悲しみの涙を
「大丈夫です…。俺助かったんだ。」


隊士は安堵したように呟く。


「あなたが助けてくれたのですか?」


「はい。」


隊士は上半身だけを起こして頭を下げる。


「ありがとうございます。何とお礼を言って良いやら…」


「私は医者として当然のことをしたまでです。土方さんを呼んできますね。」


私は部屋を出て昨日、平助に教えてもらった部屋の前に正座をする。


「土方さん。昨日の隊士さんが目を覚ましました………土方さん?」


返事が返ってこないので失礼しますと言って静かに障子を開ける。


土方さんは机の前で筆を持ったまま寝ていた。


(…どうしよう)


迷った結果私は畳の上に落ちていた着物を土方さんに掛けようとする。


「……何やってんだ?」


土方さんは私の気配を感じ取ったように目を開ける。


「…す、すみません。隊士さんが起きたので土方さんに知らせようと思ったんですけど、寒そうに寝ていらしたので…」


「…そうか。すまねぇな。」


てっきり怒鳴られるかと思ったが意外と優しかった土方さんにびっくりする。


「お前は大丈夫か?顔色悪いぞ」


土方さんは心配そうに聞く。


「土方さんも人の心配できるんですね。」


土方さんの言葉が嬉しくて照れ隠しをする。



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