彼の瞳に独占されています
でも、無理をしていたのは弥生ちゃんだって同じだよね?

自分のことばかり話してしまって、まだ聞いていなかったけれど、彼女の気持ちも教えてほしい。


「あのさ、弥生ちゃんもその、淳一のこと……?」


遠慮がちに、歯切れ悪く探りを入れてみると、キョトンとしていた彼女の顔が、一瞬にしてぼっ!と赤くなった。

おぉ、と少し驚く私の視線から逃れるように、両手で顔を隠して悶え始める。


「き、気づいちゃったんですか……!? もぉ~先輩ならずっと隠し通せると思ってたのに~~」

「“先輩なら”ってどういう意味」


鈍感ってこと?と思いつつ、口の端を引きつらせるけれど、この反応は確実に恋しているな。

悶え続ける弥生ちゃんを落ち着かせ、まず「いつから?」と聞くと、彼女は考えを巡らせる。


「んー……ニ年前くらいですかね。淳一さんとも仲良くなって、最初は“カッコいいなー”って思うくらいのただのファンだったけど、いつの間にか……」


照れ臭そうに俯く彼女は、言葉尻をごにょごにょと濁す。

二年も密かに片想いをしていたなんて。淳一はここ数年彼女を作っていないから、アタックするチャンスはたくさんあっただろうに、そうできなかったのはやっぱり私が原因なんだろう。

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