彼の瞳に独占されています
「本当にごめん。私、全然気づかなくて……たぶん嫌な想いいっぱいさせちゃったよね」


鈍感と言われても仕方ないな、と思いながら肩を落として謝ると、弥生ちゃんはぶんぶんと首を横に振る。


「いいんですよ、そんなの! もちろん、仲良しの先輩たちを見てるのは切なかったけど、気を遣われてふたりがぎくしゃくしちゃう方が嫌だから」


弥生ちゃん、私たちの関係のことまで考えてくれていたんだ……。本当にいい子で、なんだか私が泣きそうになってしまう。

こんなに素敵な子だから、好きな相手が同じでも、こんなことが言えるのだ。


「弥生ちゃんこそ告白しないの? 私のことなんて気にしなくていいんだから」

「気にしないなんて無理ですよー」


無邪気に笑いながらあっさりと返され、私はなんだか面食らってしまった。

笑顔にちょっぴり切なさを滲ませる彼女は、正直な気持ちを吐露する。


「ふたりに十年の繋がりがあるってだけで、あたしなんかが敵うわけないって怯んじゃうんです。それに、淳一さんは絶対先輩のことが好きだと思ってたんで」


ドキリとするようなことを言われて一瞬固まると、さらにこんな一言が投げかけられた。


「ていうか……あたしはまだ、ふたりが親友以上になれるような気がするけど」

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