ミラージュ


……………

いよいよ明日がテストの日。
流石に一応勉強しながらも、半分も集中できてない。

「ナツ、昨日の夕飯なんじゃった?」
「…えびふりゃー」
「は?何それ?」
「最近あたしの中でブームなそ。エビフライを、えびふりゃーって言うの」

「何処の方言かよ」、良平が少しだけ笑った。
その笑顔が愛しい。


あの日…紗耶香ちゃんと良平を二人きりにした日から、何事もなかったかの様な日々が過ぎた。
良平の口からは何も聞かなかったし、あたしからも言えるはずがない。紗耶香ちゃんとも会うこともなく、あたしの中では中途半端に溶けたアイスの様な微妙な味となっていた。

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