さよならはまたあとで
はぁ、はぁ、
荒い息遣いが聞こえて、私はそっと顔を上げた。
目の前にいたのは、ずっと会いたかった律太だった。
「ごめん」
乱れた息が整ってきた頃、そっと律太が謝った。
「んーん、お疲れさま」
私は律太の手を掴むと隣に座らせた。
彼の手はしっとりと汗で濡れていた。
急いでこの暑い中を走ってきてくれたのが痛いほど分かった。
「浴衣…似合うね、可愛い」
ふと彼はそう言ってはにかんだ。
私は嬉しくて、でも、その倍以上に恥ずかしくて、うつむきがちに「ありがとう」と呟いた。
「ファッションショー、見たかったなぁ」
律太は残念そうに空を見上げる。
さっきよりも星がきらきらと輝いて見える。
「グランプリ獲ったよ」
「予想通りだ」
お互いに目線が絡み、笑みがこぼれる。
指先まで熱が伝わっていく。