さよならはまたあとで
「なんだよそれ、笑える」
聞き覚えのある声に顔を上げると、向かい側から律太が歩いてくるのが見えた。
こんなところで律太に会えるなんて、想像もしてなくて、嬉しくて、私は顔をほころばせて手を振ろうとする。
え。
振ろうとした手はその目的を果たすことなく、だらりと垂れる。
気づいた時には、私は近くの店の中に隠れていた。
律太が楽しそうに一緒に歩くのは、見たことのない高校の制服を着た女の子。
手を繋いでいたのが決定的だった。
2人とも笑顔で、きらきらしている。
私は呆然とその様子を見ながら立ち尽くすことしかできない。