さよならはまたあとで
私は休日で閉められた学校の柵を無理やり乗り越えて、鍵のかかっていない入り口を探す。
律太がここに居るなら、どこか入る場所があるはずだ。
あった。
一箇所だけ鍵のかかっていない窓を見つけると、私は身を滑らせるようにして静寂に包まれた校舎に入り込んだ。
階段を一段飛ばしで駆け上がり、屋上を目指す。
いつの間にか足の疲れもどこかへ消えてしまっていた。
立ち入り禁止の張り紙を無視して思い切り屋上の扉を開いた。