それを愛だというのなら


入学式から一人で屋上でお昼を食べているということは、中学から一緒の友達がいなかったということだろうし、数学が異常に得意なのも、私立中学に通っていたからなのかも。

そういうところって、きっと幼稚園や小学校から受験があって、頭の良い、家柄の良い子しか入れないんだよね? そんなイメージなんだけど。

そんな学校を、どうして途中で辞めたりしたんだろう。


「うーん、それはすごく気になる」

「でしょ?」

「今度本人に聞いてみるね」

「はっ? まだ関わる気?」


不思議そうな顔をするヒトミの方が、私にとっては不思議なんだけど。

だって、そんなどこから湧いて出たのかわからない噂で、人を判断するのって無理じゃない?

本当に暴走族で殺人鬼だったとしても、別にいいんだけどね。

だって健斗は、私には優しいもん。

今後ずーっと一緒にいて、結婚とかできるわけじゃないし……。


「大丈夫」


そう言い、私はカップの中でアイスが溶けてカオスになってしまっているパフェを食べることに集中した。

ヒトミはそんな私に呆れてしまったようで、それ以上は何も言わなかった。


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