きらきらふわり
ほんのちょっと。

ほんのちょっとこの人が声を掛けるタイミングが遅ければ、私は図書館の彼とパスタを食べていたかもしれないのに。


そう思うと怒りすら込み上げてきた。

なんでこんなくだらないことで私に声を掛けてきたりしたのよ、と。

でも、彼の顔を見たら一秒もしない速さでそれは消える。

なぜなら――
彼は眩しいくらいにきらきら微笑んできて、それをされるとどうやら私は無条件降伏せざるおえない体になっている。


「きみかわいいね。高校生?」


キミカワイイネ


一文字づつはっきりと、タイプライターで打ったように無防備に胸へ飛び込んでくる言葉。


認めたくないけど、私だって馬鹿じゃないから分かる。

一目惚れってやつをしてしまったようだ。

何がきっかけなのか自分でも理解しがたいうちに。

恋に――あっけなく落ちてしまった。


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