きらきらふわり
飛行機が轟音を立てて飛んでいくと、彼は細い顎を天に突き立てるようにのけ反らせ、上空を眺めた。

私はその横で彼の飛び出た鎖骨や白い首や形のいい大きめの耳を盗み見る。

暑苦しいセミの鳴き声が、私の気持ちを駆り立てるように勢いを増す。

キスしたい

そんな事をいきなり考える私は、変態か欲求不満なのだろうか。

肉の付いてない頬に、薄い唇に、厚い耳たぶに。
全てに唇を乗せたくてしょうがなくなる。

飛行機が去ってしまい、彼はさっとこちらへ向き直る。

急に目を合わされると、膨らみまくった妄想に気付かれたんじゃないかと、恥ずかしくて恥ずかしくて顔が熱くなる。

沈黙が周りの空気の酸素濃度を低くしていく。

メロンパンに食い込むくらい指先に力が入り、いっそ走って逃げ出してしまおうと腰を上げかけた時。


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