きらきらふわり
「明日も来る?」


そう言う彼に、限界いっぱいまで激しく首を上下に振ってしまう。

明日は龍馬と会う約束をしてたくせに。


「じゃ、玉ねぎ持ってきて」


彼はそう言うと手にした焼きそばパンを口いっぱいに頬張り、立ち上がった。

クリームパンとクロワッサンを私の膝の上に置き、残りのパンを紙袋に手早く詰めると、うーん、と言いながら背伸びをした。


「名前、何ていうの?」

「吉良凛子」

「キラリンコ?」

「キラ、リンコ。吉良は苗字」

「分かった。伝えとく」


そんなやり取りを終えると、彼はもう私を見ていなかった。

伝えるって誰に?


と聞く間もなく、彼は眩しい笑顔をふりまきながら手を振り、駐輪場へと走って行ってしまった。

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