彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



「凛道、振り返るなと言ったろう?」

「あ、すみません!つい!」

「意志が弱いな。1点、減点だ。」

「って、運転しながら書き込みしないでください!危ない、危ない!」

「まぁいい。事態は臨機応変となった。背後を見んといかんことにもなるだろう。解除だ。」

「だったら、なおさら110番を!このままじゃ、車同士の接触が~となれば、119番!?」

「馬鹿者!縁起でもないことを言うな!ぶつけられて、傷つけられるなど・・・念のため、JAROの手配をしろ。」

「そ・・・そうですけど、ちょっと違うんじゃないですか!?」



〔★伊織は車の救助を要請した★〕




「獅子島さん、他に心配することありません!?人間を心配してましょうよ!?」

「勘違いするな、こわっぱ。車はもちろん、人間様への無礼も許さん。凛道、手すりを持っておけ!」

「で、でも、電話!」




ピピピピ!





そう言ったら、携帯がなった。

表示を見て泣きそうになる。








「うわーん!瑞希お兄ちぁぁぁーゃん!!」

〈え!?出た瞬間からどうした!?〉






愛する人からの電話だった。



〔★奇跡のタイミングだ★〕




〈凛、どうしたんだ?なにかあった?〉

「うっうっ!僕もわかりません!」

〈はあ?わからないのに泣いてんのか!?〉

「いや、その、なんか・・・追いかけられてるんですけど・・・!」

〈はあ!?誰に!?日本人ヒットマンか!?〉

「いや、国籍もわからないです・・・!」



ミラーで覗き込むが、黒塗りをしているせいで運転手の顔は見えない。



〔★姿さえ見えない★〕



〈お前、どこにいる!?〉

「うっうっ!どこかの山道です。」

〈それだけじゃわかんねぇよ!?単車・・・・じゃないよな?ガレージにあるから。〉

「車です~」

〈てことは、また誘拐か!?いや、それだと電話に出れるのはおかしいよな!?〉

「連れ去りでしたが、連れ去りじゃないです・・・!」

「おい。」




低い声で、運転手にニラまれるが無視する。



〔★伊織は何か言いたそうだ★〕




〈凛、泣いてちゃわからねぇ!何があったか最初から話してみろ!〉

「そ、それが!獅子島さんは大学で外面がよくて、カーチェイスのファストフードを食べて、追われていたら、名誉教授で!」

〈ごめん、凛。お兄ちゃんに解読できるように言ってくれ!〉



〔★読み取れない★〕



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