彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「こういう時は、服とかゆるめた方がいいだろう?服は薄着だからこれ以上は無理だけど、靴脱ぐだけでも違うからな?」
「瑞希お兄ちゃん・・・・」
「ソックスもぬいじまえよ!あーあ、全身ドロドロだな~?」
「は、はい。」
苦笑いすると瑞希お兄ちゃんも、同じソファーのはしに腰かけながら言った。
「では、お言葉に甘えて・・・」
「おー甘えろ、甘えろ。」
裸足になった足を伸ばすのと、瑞希お兄ちゃんが私の頭の方に座ったのは同時だった。
(え?瑞希お兄ちゃんも、同じソファーで休むの・・・?)
席は他にも開いてるのに、わざわざ私の側へ?
(それだけ、心配してくれるってことかな・・・!?)
そうだと嬉しい・・・
狭いけど、嬉しいな・・・!
そう思う私に、さらなるハッピーが起きる。
「ほら、凛。」
「はい?」
腰を下ろした瑞希お兄ちゃんは、自分の膝の上に別に持っていたらしいフェイスタオルをかける。
「凛。」
私の名前を呼んでから言った。
「ここに頭をのせろ。」
「え?」
「だから、俺の膝に頭のせろ!」
「えええええ!?」
ポンポンと、自分の膝の上を叩きながら笑顔で言う好きな人。
「ひ、膝に!!?」
(それはつまり―――――――――――!!?)
「ホントは枕かクッションでもいいけど、皇助が駄目にしたんだよなぁ~」
固まる私に、彼はほのぼのと言った。
「今日のところは俺の膝で我慢しろ!」
「えっ!!?」
(リアル膝枕のお誘いがキタぁァァァ―――――――――――!!?)
〔★凛の体力が回復した★〕
瑞希お兄ちゃんの言葉で、車酔いが吹き飛ぶ。
「みっ、みみみみ!瑞希お兄ちゃん、それは~!!」
「照れるなよ。どうせ、誰も見てねぇーし!おいで。」
「で、でででででも!!」
手招きされ、嬉しいけど、恥ずかしく動けなくなる。
「いいから、早く来いって。」
「で、でででで、でも!」
(どうしよう!?)
〔★凛は葛藤(かっとう)している★〕