彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



「とりあえず、瑞希お兄ちゃんと獅子島さんのを借りると言ったから、そちらを使わせてもら・・・・ん?」



(なにこれ?)




瑞希お兄ちゃんのボディーソープの上に、何か乗っていた。



「ヒヨコ・・・?」



黄色の可愛いヒヨコのスポンジが乗っていた。



「え?瑞希お兄ちゃんが使ってるの?」


と、思ったけど・・・・



「あれ?名前が入ってる・・・・?」



手にしたヒヨコには、黒のマジックで文字が書かれていた。




―りん―



「私用!!?」



思わず、ひっくり返して裏を見る。



―りんどうれん―



今度はフルネーム。




「あ、間違いない・・・。」



(私用だ・・・)


それで事情を察した。



(瑞希お兄ちゃん、私のために用意してくれてたのね・・・)



すごく可愛いのでうれしいけど・・・。



(・・・四代目総長に、ヒヨコってどうなんだろう・・・・・・)



〔★男らしさが感じなかった★〕



きっと悪気はないのだろう。

そんな思いで、好意で用意されたヒヨコに、獅子島さんのボディーソープをつける。

本当は、体も頭も瑞希お兄ちゃんで染めたいけど、後が怖いのでシャンプーとリンスだけにした。




「ああ~瑞希お兄ちゃんのにおいがするぅ~私の髪が、瑞希お兄ちゃんとおそろいに~」



うっとりしながら、体に続き、髪を洗う。

しっかりと、泡を落とせば、後には好きな人の香りが残る。

好きな人のにおいに包まれながら、湯船に入った。




「気持ちいい・・・」



足先から伝わる温もり。

すべてが解放される至福の時間。




「あ~いい湯だなぁ~」



どこかの誰かのセリフを真似ながらつぶく。

元々、お風呂は嫌いではないのでサイコーだった。




「ここに、瑞希お兄ちゃんも入るのかぁ~」



きっと、私が出た後に入ると思う。




(これが獅子島さんじゃなくて、瑞希お兄ちゃんが入った後だったのになぁ~・・・・)



そうすれば、間接キッスみたいな感じで嬉しかったのに。

残念な気持ちで、手足を伸ばした時だった。





コンコン。



「凛!」

「ひょえええええええええ!?」




突然、脱衣所の外でノックされた。

叫びながら、反射的に口のあたりまでお湯につかる。

隠れる。


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