彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



嫌な話題を変えるように、陽気な声でヤマトが言う。



「それはそうと、凛!蛇の目の結末は聞いたかー?はよう、飯にしようでー!」

「ああ、蛇塚達のこと?うん、瑞希お兄ちゃんからメールで聞いたよ。てか、君に気を取られて、お昼を買うの忘れたんですけど・・・?」

「うははは!ざんねーん!わしが買い占めたから、ありゃせんわ!ほれ、コロッケパン食え!」

「あ・・・ごめん、ありがとう。」



最近、いつもこう。

みんな、私のお弁当が渕上達に捨てられるって知ってる。

だから他の人も意地悪して、購買のパンやお弁当類を買占める。

そうすることで、渕上に媚び(こび)てアピールしてるのだ。



(そうなっても、私が困らないようにって、ヤマトが買っていてくれる・・・・)



「お客さーん、なににしますぅ~!?」

「じゃあ・・・コロッケと、卵サンドセット、たらこのおにぎり!」

「まいどー!おまけで。キットカッドつけたるわ!」

「ありがとう。」



定価と同じお金をヤマトに払う。

金額を上乗せするわけでもなく、おまけのお菓子までくれる。

ふと、気になったので聞いた。



「そういえば、ヤマト・・・いつもパンを買ってるけど、親御さんはお弁当作らないの?」

「うははは!わし、1人暮らしやねん!」

「え!?そうなの!?すごい!」

「せやろー!?今度、遊びに来てええで!なんなら、わしの部屋に凛道蓮変身セットを隠しとくか!?」

「え!?それはいくらなんでも・・・・」



一応、年頃の男の子の部屋。



「なんや!?けーかいせんでも、ええで~!凛、わしの好みのタイプとまったくちゃうから!」

「そーかい、ありがとうよっ!」



〔★ストレートだった★〕



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