彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
主語を使い分けながら、唯一の味方(?)に聞いた。
「いくら『私』の時は友達がいないからって、ヤマトまで付き合うことないんですよ?クラスの友達とかいるでしょう?」
「うはははは!かまへん、かまへん!ゆっくり作るから!なかなか、半径3メートルの壁が崩れへんねん!」
「え!?君もいじめられてるのかい!?」
「うはははは!よーわからんが、わしの声を聞くのには、その距離が一番ええらしーわ!」
「ボリューム下げなよ!」
〔★いじめではなかった★〕
「ヤマト!それ少しの工夫で友達集まるよ!作れるってば!」
「かまへん、かまへん!出来る時にできるわ!凛こそ、ええんか?後藤先生のこと!?」
「っ!?」
それで私の言葉が勢いを失う。
痛いところを突かれたわけだけど―――――
「・・・後藤先生との話、聞いてたんですか?」
念のため確認をふれば、ヤマトはゆかいに笑う。
「うははは!!なかなか、けーへんから、またいじめられとるんじゃないか思うてなー?ええ先生やと思うで!?」
「ヤマト的には、OKマーク?」
「せやな!あとの先公共は、あかんな!特に、井谷先生があかんな!わし、友達になりたくないわ!」
「大丈夫、井谷もそう思ってると思うから・・・」
「ホンマか!?うれしいのぉ~うははは!」
音に反応して動くおもちゃみたいに、ケラケラと笑うヤマト。
大きな音が出る実験もあるので、第二理科実験室は防音設備がついている。
(それがなければ、バレバレの音量よね・・・・)
〔★凛は工事した人に感謝した★〕