彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
ヤマトのこと、信用してもいいと思っているから。
「ヤマトの家、あゆみが丘学園からは近いんですか?」
「ん~半々かのぉー?どっちっちゅーと、瑞希はんの方と近いなっ!」
「遠いですね。」
「せやから、家賃が安いねん!」
「ああ、そうかもしれませんね・・・あゆみが丘学園の周辺は土地が高いですから・・・。」
しかし、問題はそこではない。
「学校の連中にバレないように、菅原凛がヤマトの家まで行けるかが重要ですね。」
「ほんなら、バスで出来たらええわ!わしのマンションの地図、スマホでググれるからのぉ~!待ち合わせは、正面玄関でええやろ!?防犯カメラ壊れてるし!?」
「そうですね、今回は。」
「まぁ心配なら、非常口の鍵、貸そしたるわ!ほれ!」
そう言って差し出す銀色の鍵。
「ありがとうございます。マンションって、住人にも非常口の鍵を渡してるんですね。」
「そうかもしれんのぉー!みつぐ君に、魔法少女の激レアプレミアカードをあげたお礼やねん!」
「明らかに違法な気がしてきたんですけど!?」
〔★お礼の品のようだ★〕
「うははは!細かいことは気にするなやっ!」
「気にして下さいよ!?そのマンション、本当に大丈夫なのかな・・・!?」
「だいじょーぶやって!その代わり、凛も内緒やで!」
「非常口の鍵を使うことですか?」
「ちゃうちゃう!わしが内緒で、単車で通学しとることやっ!」
「え!?今さらそこですか!?」
「いくら金掴ませれば、大目に見てくれる学校や言うても、わしそこまで金あらへんもん!」
「大丈夫、うちも中流家庭ですから。」
「なんや!そうならそう言ってやー!あーよかった!」
「僕もよかったよ、ヤマトが友達で。」
「当たり前やん!わしら非公表やけど、大親友やんけ?凛のことは、死んでも言わへんで~!?」
「ありがとう、僕も絶対に言わないよ。大親友は初耳だけどね?」
「うはははは!ほな、これからは覚えといてやー!?」
「ええ、覚えておきます。」
その言葉で、どちらともなく笑う。
学校は、我慢する場所。
ツライことばかりだけど、まだ味方がいるから頑張れる。
それを思えば、ババア(井谷)からの呼び出しも素直に応じられた。