彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)


「あほか!わしゃ、そないな趣味はあらへんわ!ほれ、ついたで!」

「あ、すごい・・・」



オシャレな壁アートの廊下。

設置されている明かりと模様がコラボしており、LEDの電灯がまるで宝石のように見える。

明かりがつけば、もっときれいに見えるだろう。




「素敵・・・・本当にここで、1人暮らしなんですか?」

「うはははは!そやで!」

「だとしたら、お金持ちですよ・・・」

「うはははは!たまたま、家賃が安いだけや!ここやで~!」



そういうと、1つの部屋の前でカギを開けるヤマト。

家賃が安いって、これは絶対に10万は軽く超えてるよ。

そこに1人暮らしって・・・・


〔★凛は何か言いたそうだ★〕



悶々とする私に、ヤマトが気づいて笑いかける。



「なんやー!わし、彼女はおらへんし、凛は顔が対象外から、みょうな気は起きへんでー!?それとも、起こしたほうがええ?うはははは!」

「永遠に起動させないで下さい!」



安心だとわかってるけど、ムカつくな・・・・!



〔★喜んでいいのか怒っていいかの中間だ★〕



「うははは!おしゃべりは中に入ってからや!ほな、お客様1名、ご案内~」

「お、おじゃましまします・・・」


(いくらお互い対象外だとしても、同級生の・・・異性の家は緊張するわ・・・・)


開いた玄関に、ドキドキしながら入る。

瑞希お兄ちゃんの時とは、違った意味で鼓動がなる。

そして、感嘆の声を漏らした。



「やっぱりすごい!」


内装もやっぱり豪華。

比較したくないけど、蛇塚の部屋よりは小さいかもしれない。

だけど、壁も床も天井もピカピカの新品だった。

清潔感では、内装では、間違いなく蛇塚の所よりキレイだった。



「すごく、素敵!新築のにおいがしますね~」

「うはははは!せやねん!内装直してくれたんや!こっちがリビングやで~!」

通された場所は、光がよく入る場所。


「広いっ!?」



入った瞬間、思ったことを口にしていた。





「物がない!?」





広いけど、なにもない。

テーブルやソファーがあってもいいのに置いてない。

カーペットさえも敷かれていなかった。

あるのは、無造作に置かれた最新の大型テレビとエアコンだけ。



〔★さみしすぎだ★〕



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