彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
タイガーズファンになったのがよかったのか、ジャージを私への頭へと乗せながら笑顔でヤマトは言う。
「うはははは!そういや、お客様なのに、なんも出してなかったのぉ~!?なんか冷たいもんでも出すわ!」
「お願いします・・・ツッコミが追い付かない・・・!」
「蒸すから、冷房も入れようなぁぁー♪」
私が頭からジャージを下ろした時、彼は私の手を引いて部屋から出ていた。
壁についていたリモコンを取ると、クーラーのスイッチを入れるヤマト。
そのまま、立派なダイニングキッチンへ向かう。
そこで新たな発見をする。
「ヤマト・・・・・家電は使えるようにしてるんですね。」
IHヒーターはともかく、冷蔵庫に電子レンジ、オーブンまで綺麗に設置されていた。
これに、冷蔵庫からペットボトルのお茶を出したヤマトが答えた。
「うははは!せやねん!家電類は、部屋とセットでついてたんや!すぐ使えるようになぁ~!」
「ええ!?冷蔵庫が!?」
「冷凍庫だけやのぉーて、保温の機能もついとるから、便利やでぇ~!風呂上がりの冷たいコーヒー牛乳と、買っておいた肉まんもホカホカで最高や!クーラーとテレビもや!洗濯機も、ルンパも、レンジも、オーブンもやで!うはははは!」
(そんな好条件の物件を安いと言うなんて!)
やっぱりヤマトは――――――――!?
「ヤマトって・・・お金持ちなの?」
「うはははは!せやから、清く正しい貧乏やって!ほら、ウーロン茶冷えてるから飲みぃ!」
「ありがとう!でもね、本当に貧しい人は、こんなに広い3LDKに暮らしてませんから!」
「そんでのぉ~凛の部屋は、あっちの部屋のどっちかや!」
「聞いてないよね、僕の話!?てか、あっちとこっちって?」
お茶を受け取る私に、変わらぬマイペースぶりでヤマトは指をさす。
「右が洋室で、左が和室や!どっちや!?」
「どっちって、見て見ないと・・・」
「ほな、右からやな!」
こちらの返事を聞かずに、ガチャッと右の扉を開ける。
「って、空っぽじゃないですか!?」
〔★一番何もない部屋だった★〕