さよなら、もう一人のわたし
手をつないでいて、楽しそうなカップルの姿が映った。
あんな風に過ごせたらどんなにいいだろう。
それを彼に言ったら嫌がられるかもしれない。
そう思ってもタメ元で言ってみることにしたのだ。
嫌がられたら冗談だと言ってしまえばいい。
「手、つないでいいですか?」
彼はそんなことをわたしが言い出すとは思わなかったのだろう。目を見開いた。
数秒後、優しく微笑んだ。
「いいよ」
彼はわたしの手をつかんでくれた。
温かい手に胸が高鳴った。
彼のやさしさに甘えて卑怯な気はするけど、今だけはこのぬくもりを感じていたかった。
わたしたちは昼過ぎに水族館を出ることにした。
中では人が多くてご飯が食べられなかったため、外に出て、ご飯を食べようということになったのだ。
近くのファミレスに入ると、定員が奥の席に案内してくれた。
夏休みなのか、休日だからなのか、人が多かった。
「あの人、かっこよくない?」
窓際の席に座ると、そんな声が聞こえてきた。その方向を見ると尚志さんと同じくらいの年ごろと思われる女性が尚志さんを指さしていた。
「一緒にいる子、彼女かな」
「じゃない? 兄弟には見えないし」
「残念」
あんな風に過ごせたらどんなにいいだろう。
それを彼に言ったら嫌がられるかもしれない。
そう思ってもタメ元で言ってみることにしたのだ。
嫌がられたら冗談だと言ってしまえばいい。
「手、つないでいいですか?」
彼はそんなことをわたしが言い出すとは思わなかったのだろう。目を見開いた。
数秒後、優しく微笑んだ。
「いいよ」
彼はわたしの手をつかんでくれた。
温かい手に胸が高鳴った。
彼のやさしさに甘えて卑怯な気はするけど、今だけはこのぬくもりを感じていたかった。
わたしたちは昼過ぎに水族館を出ることにした。
中では人が多くてご飯が食べられなかったため、外に出て、ご飯を食べようということになったのだ。
近くのファミレスに入ると、定員が奥の席に案内してくれた。
夏休みなのか、休日だからなのか、人が多かった。
「あの人、かっこよくない?」
窓際の席に座ると、そんな声が聞こえてきた。その方向を見ると尚志さんと同じくらいの年ごろと思われる女性が尚志さんを指さしていた。
「一緒にいる子、彼女かな」
「じゃない? 兄弟には見えないし」
「残念」