さよなら、もう一人のわたし
「この前、アルバムを見てごめんなさい」
「俺も大人気ない対応をして悪かったよ。子供のときの写真って恥ずかしいからさ」
「かわいかったのに」
「だから恥ずかしいんだよ。かわいいって言われても複雑っていうか」

 彼は頬を赤らめて苦笑いを浮かべていた。

「ごめんなさい」
「君が悪いわけじゃないよ。紅茶でも入れるよ。座って」

 わたしは近くのソファに腰を下ろした。
 彼は紅茶を手にすぐ戻ってきて、テーブルに二人分のカップを並べた。
 何を話せばいいのかとっかかりが掴めず、黙ったまま紅茶を口に運ぶことにした。

「本、見に行く?」

 わたしが飲み終わったタイミングを見計らったかのように、尚志さんがそう告げる。
 わたしがうなずくと、二人でリビングを出て行くことにした。

 階段を上がり、右手の一番奥の部屋の前に行く。

 尚志さんが扉を開けた。
 部屋には本棚がたくさんあって、もちろん本も同様に並んでいた。

「ここに読まない本を入れているから。好きな本があったら適当に選んで」

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