ラブ パラドックス
ぎゅうぎゅうと、人の波に押し出され電車から降りたのは、いつもと違う駅。

先に私の最寄り駅を通り過ぎ、続いて夏目くんの最寄り駅も。途中下車はしても、今日のように少し足を延ばすことはあまりなく、新鮮な気分で、流れに身を任せ改札を通る。

隣を歩く夏目くんが「こっち」と目線で合図を送ってくる。


なにそれ。

かっこいいんだけど。


なんとなんと。

これから夏目くんとディナーなのだ。


しかも、複合ビルの高層階にある、夜景がきれいなイタリアンなんて、まるでデートみたい。


仕事終わりに、今日のセミナーの成功をお祝いしようと、なんと私から夏目くんを誘ったのだ。

快諾してくれた夏目くんに、せっかくだから、ちょっといいものを飲んで、すごくおいしいものを食べようと提案したのも私。


明日も仕事。

しかも、すごく忙しくなるのも、よくわかってる。


でもたまには、ご褒美があったっていいじゃない。
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