ラブ パラドックス
クリスマスカラーに彩られた街。目的地はもう目の前だ。


「すげえ人多いな」

「そうだね。この時期どこも人多いよね」

と、不意に繋がれた右手。

え。

驚いて見上げると、夏目くんはわたしを見つめていた。戸惑う私は、夏目くんの大きな手に引かれつつ、目が離せない。


「なんだよ」

「手…」

これがどうかしたか?と言いたそうに、繋いだままの手を胸の高さまで上げる夏目くん。


「迷子になるだろ?」

「なりませんけど」

「嫌なら離せば?」


にやり、意地悪な笑みを浮かべる横顔を、負けじと睨みつけてみたけど。

離せるわけないでしょ!


平然を装えるだけ装って、大きな手のぬくもりから意識を逸らすことに尽力する。

どうか、このドキドキが悟られませんように。


と、不意にポケットの中のスマホが震える。

「え?」
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