ラブ パラドックス
「無理に聞き出そうとは思ってないからな」

夏目くんの口調は穏やかだ。さっきのおじやみたいに、心にしみわたる温かさがある。


「でも弱さを見せないってきついだろ。俺でよかったら話してみろよ」

「全然平気」

口をついて出たのは、期待外れで、予想通りで。


こういう時、あのね実はねって話せばいいのはわかってる。

でも。

大した話じゃないんだけど、いままで誰にも話したことがないし。人に話したからどうこうなるとは思えないし。


弱さの見せ方がわかんない。


< 82 / 294 >

この作品をシェア

pagetop