ラブ パラドックス

ベッドから滑り落ちた夏目くんは、怒っているそぶりもなく、フローリングにあぐらをかいて座った。

わたしは完全にパニックだ。


だってだって、私が抱きしめてたの夏目くんだったから!

夏目くん、上半身裸だから!


それにわたしも裸…じゃないし。

あれ、おかしいな。昨日の服のままだ。


がしがしと、短い髪の毛をかき混ぜた夏目くんが、眠気とけだるさの色濃い表情で、マットレスに上半身を突っ伏せた。

顔だけ持ち上げて、その表情はなぜか笑顔だ。
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