結婚の約束をしよう
「隠れて…?イイ趣味してるね、竹田さんって。残念ながらそれ、あたしじゃないと思うけど?」

「あ…。」

長谷川さんは私を軽蔑するような目で見た後、私の腕を振りほどいて行ってしまった。

「だいたい何であたしが、知りもしない人の事を好きにならなきゃいけないんだ。」

こんなつぶやきを残して。

私は床に座り込み、動けないでいた。

窓が、雨風に打ちつけられてガタガタと揺れていた。

みんな…どうしちゃったの?

それとも本当に、私がおかしな事を言ってるの?

わからない…。

たった一晩で、何もかもが変わってしまった様に思えた。



「竹田、どこほっつき歩いてたんだ?遅いぞ。」

「あ、すみません…トイレに……。」

トボトボと歩き教室にたどり着いた時には、既に担任の先生が来ていて、私は適当に理由を作ってごまかした。

「よし、じゃぁ通知表を配るか。番号順に呼ぶからな。」

「…。」

私は祈りながら、先生の声に耳を傾けた。


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