結婚の約束をしよう
「笹野?何を言ってるんだ竹田は、このクラスに笹野なんて名前の生徒はいないだろう?」

「…。」

ガラガラと、音を立てて崩れ落ちたーーー希望という名の可能性。

陵はこのクラスの生徒じゃない……それが、証明されてしまった。

私はフラフラとした足取りで、何とか自分の席まで戻ると、一段と激しさを増した窓の外の雨を眺めた。

陵の存在が、まるで雨に流されたみたいになくなってしまった。

陵との事はやっぱり夢で、陵はここではないどこか遠くで存在しているのかな…?

本当は、帰ってきてなんかいなかったのかな?


キーン…コーン……

「ーーー受験に向けて、勉強と同じように体調管理もすること。以上。」

先生が話を締めくくると、それを待っていたかのように騒がしくなる教室。

起立、礼の号令がかかり、そこにガタガタという椅子の音も加わる。


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