青空の下に咲いた花は…君という花でした。
「そこの1年、いつもそこに立ってるよな」
え?校庭に背を向けた私のまえに、
一人の男の子が立っていた。
ふわっ、桜の香りを包んだ風が吹いた。
「すっすみません。もう帰るので…。」
思いがけない出来事に、すごく焦る。
やっぱ、邪魔だったよね。
ずっと、毎日のように何も言わずに立って
練習を見てたんだもん。
私は、肩からずり落ちてたスクバを肩にかけ直
すと、急いで足を進めた。