リアルな恋は落ち着かない
「・・・行きませんかって・・・あの、どこに・・・」

「どこでもいいですよ。橘内さんの行きたいところでいいんですけど。なければ、どっか連れていきます」

彼の目が真っすぐで、とても真剣だったから。

私の頬の温度は急上昇して、鼓動が急に速まった。

「え、えっと・・・それは・・・二人で?」

「はい。二人で」

私はドキリと固まった。

そうだろうとは思ったけれど、確認せずにいられなかった。

だって五十嵐くんと二人きりでどこかに行くなんて、想像したこともなかったから。


(ど、どうしよう・・・予定ないって言っちゃったけど、無理・・・)


ただでさえ、男の人と二人でお出かけするなんて、私には相当高いハードルだ。

しかもその相手が五十嵐くんとなったなら、絶対無理だと思ってしまった。


(だけど、『行きたくない』なんて言えないし・・・)


どうしよう、と悩んでいると、五十嵐くんは「それなら」と言って、ちょっと不敵な笑みを浮かべた。

「・・・卑怯な手を使おうかな」

「えっ」


(ひ、卑怯って・・・)


「なにかのキャラクターに心酔してることも内緒にします。二次元恋愛中って言ったら、確実にみんなドン引くし」


(えっ!?)


「ちょっ・・・!あ、あの、それは」

「日曜日。デートしてくれたら言いませんよ。どうですか」

「ど、どうって・・・」
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