リアルな恋は落ち着かない
「・・・美瑠久ちゃん、ここは一旦休戦しよう」

「なんでですか!橘内さんだって、悔しくないんですか!」

「悔しいよ。でも・・・今、反論すれば反論するほど、まりんちゃん怖がるだけで・・・こっちが悪いみたいにされてしまうような気がする」

まりんちゃんは、五十嵐くんにしがみついたまま、目を潤ませてついには涙を流し始めた。

もう本当に、なにも言えなくなったと思った。

「〜〜〜っ!」

美瑠久ちゃんも、ぐっと唇を噛みしめる。

そして周りのみんなは、言葉にしては出さないけれど、泣き出したまりんちゃんを庇うような雰囲気だった。

「・・・も、いいっ!」

美瑠久ちゃんは、くるりとまりんちゃんに背を向ける。

そしてスタスタと自分の席に歩いて行くと、無言で仕事に取組みはじめた。


(美瑠久ちゃん・・・)


他の男性社員たちの、戸惑うような視線が痛い。

悔しさや、怒りの感情が入り混じる。

美瑠久ちゃんが涙をこらえている様が、見ていてとても辛かった。

そして、まりんちゃんを振り払わない五十嵐くんを、見ていることも辛かった。









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