リアルな恋は落ち着かない
陰に隠れたスペースに入り、ドキドキと彼女の反応を待っていると、立ち止まったまりんちゃんが、くるりとこちらを振り向いた。

「・・・わかってると思いますけど」

アイドルスマイルを消して、怖い顔をするまりんちゃん。

私は思わず息をのむ。

「橘内さん、すごい邪魔なんです。五十嵐さんのこと、諦めてもらえませんか?」


(えっ・・・)


その発言に、私はとても驚いた。

五十嵐くんのことだろうと気持ちを構えていたけれど、こんな言い方をされるとは、さすがに思っていなかった。

「私、五十嵐さんにさっき連絡先を聞いたんです。なのに、教えてくれなかったんですよ」

そう言って、まりんちゃんは私のことをジロリと睨む。

「私の連絡先も受け取ってくれないし。『また会いたい』って言ったのに・・・それはできないって言うんです。信じられます?」

まりんちゃんはもう、氷のような顔をしていた。

美少女の冷えた表情は、恐ろしいほど人を凍りつかせる威力があった。

「あなたのせいです」

「えっ・・・」

「『好きな人がいるから』って、五十嵐さんに言われました。それって・・・橘内さんのことですよね?」

鋭い目線で睨まれた。

目力のある大きな瞳。その迫力は半端ない。

「昨日も、五十嵐さんの方が必死な感じだったけど。信じられない。こんなオバサン」

「!?」


(オ、オバ・・・)
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