リアルな恋は落ち着かない
とても気分が悪かった。

ショックやら悔しさやら、どうしようもない気持ちを抱え、私は午後の仕事に取り組み始めた。

けれど切り替えようと思っても、仕事は全くはかどらない。

「・・・わ!そうなんですね。すごーい!勉強になります」

左横から、まりんちゃんの明るい声が聞こえてきた。

かわいい笑顔が視界に入り、苦しいような苛立ちが、私の心を支配する。


(さっきはあんなに怖い態度だったのに・・・)


さきほどのまりんちゃんの言動を、今、ここで話したいくらいだった。

だけどきっと、言ったところで誰も信じないと思う。

まりんちゃんも、きっとあのときみたいに涙を見せて、私が「嘘」になると思った。


(悔しい・・・)


『諦めて』

『似合わない』

『かわいそう』

言われた言葉が、頭の中でぐるぐる回る。

彼女の言う通りになんてもちろんしたくないけれど、そうするべきだろうかと、私は必死に考えていた。

まりんちゃんの言葉を気にしないでいられるほど、自分に自信なんてない。

「・・・橘内さん、大丈夫?」

「え?」

声をかけられ見上げると、阿部課長が私のことを心配そうな顔で見ていた。
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