リアルな恋は落ち着かない
残業を終え、会社の受付を通り過ぎたのは22時のことだった。
家に着くのは、23時近くになるだろう。
社員証をエントランスにかざし、会社の外へ出てみると、部屋の中ではわからなかった、雨がザーザー降っていた。
(うわ・・・気づかなかったな。結構降ってるのに)
カバンの中をゴソゴソ探すが、折り畳み傘は入っていない。
普段、ロッカーの中に入れている置き傘も、以前の雨の日に持ち帰ったままだと今になって思い出す。
(そうだ家に置きっぱなしだ・・・今日はカーディガンも忘れてるし・・・。仕方ない、もう、走って帰ろう)
意を決して、屋根の外に飛び出した。
パシャパシャと音を立て、水たまりに注意しながら急ぎ足で歩道を進む。
すると、10mほど行ったところで、突然、頭上の雨が私をよけた。
(・・・?)
真上には大きな黒い傘。
驚いて、立ち止まってから振り向いた。
「・・・!」
(五十嵐くん・・・!)
すぐ後ろには、その傘の主である五十嵐くんが立っていた。
大きく息をのんだ私に、彼の低い声がした。
「家まで送ります」
「え、あ、だ、大丈夫。うち、近いし」
驚いて、動揺して、かなり口ごもってしまった。
咄嗟にそんな言葉しか、私は口にできなかったから。
家に着くのは、23時近くになるだろう。
社員証をエントランスにかざし、会社の外へ出てみると、部屋の中ではわからなかった、雨がザーザー降っていた。
(うわ・・・気づかなかったな。結構降ってるのに)
カバンの中をゴソゴソ探すが、折り畳み傘は入っていない。
普段、ロッカーの中に入れている置き傘も、以前の雨の日に持ち帰ったままだと今になって思い出す。
(そうだ家に置きっぱなしだ・・・今日はカーディガンも忘れてるし・・・。仕方ない、もう、走って帰ろう)
意を決して、屋根の外に飛び出した。
パシャパシャと音を立て、水たまりに注意しながら急ぎ足で歩道を進む。
すると、10mほど行ったところで、突然、頭上の雨が私をよけた。
(・・・?)
真上には大きな黒い傘。
驚いて、立ち止まってから振り向いた。
「・・・!」
(五十嵐くん・・・!)
すぐ後ろには、その傘の主である五十嵐くんが立っていた。
大きく息をのんだ私に、彼の低い声がした。
「家まで送ります」
「え、あ、だ、大丈夫。うち、近いし」
驚いて、動揺して、かなり口ごもってしまった。
咄嗟にそんな言葉しか、私は口にできなかったから。