リアルな恋は落ち着かない
「も、ももさん・・・!!」

「おおう、どうした、ゆりりん」

「か、会社の後輩男子に会ったの・・・!今、そこで、ト、トイレで・・・っ」

「な、なぬ!?」

「どうしようー!」と泣き叫ぶ私を、ももさんは「どうどう」となだめてくれる。

「ゆりりんだってわかっていたのか」

「うん・・・多分。自信なさそうだったけど、『橘内さん』って呼ばれたし・・・」

「おおうっ・・・それは隠れオタクのゆりりんにとっては一大大事件だな」

「だよう。どうしようー!」

「まあまあ。落ち着くのだ。今日は『アイドルエンゼルスターラブリー』のイベントだ。相手もこのイベントに来たなら、そやつも確実にオタクだぞ。仲間かもしれないぞ!」

「そ、そっか・・・!そんなイメージ全くないから、そしたらきっとばらされたくないかも」

「うむ。オタク仲間なら逆に仲良くなれる良い機会だ」

「う、うん・・・それは、別な感じもするけれど」

とにもかくにもそれならいい、と思っていたが、そんな期待はすぐさまバラバラ崩れてしまった。

その後、私たちが向かったイベントフロアの隣のフロアへ、入っていく五十嵐くんの姿を偶然見かけたのである。

入り口に、「最新ロボット展示会」という看板がかかったフロアの中に。

「仲間じゃなかった・・・!」

「どうどう。カモフラージュかもしれないぞ」

「でも、見て。あんな熱心に質問してる」
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