リアルな恋は落ち着かない
会社から歩いて約10分。

『たかはし』に辿り着くと、ちょうどみんなが入り口の前で集まっているところだった。

時刻は18:55。

「グッドタイミングだね」と二人で話をしていると、どこからか、聞き覚えのあるかわいい声にはっとする。

「え〜!五十嵐さん来ないんですかあ」

「そうなんだよー。間に合うかもしれないけどね、ちょっと難しいかなあ」

「そっかあ・・・残念です」

声の方に目を向けると、男性陣に囲まれているまりんちゃんの姿が見えた。

ふっと視線を上げた彼女と、バチリと目が合ってしまった。


(う、うわ・・・)


内心ビクリとしながらも、なんとか軽く会釈した。

するとにこっと微笑んだまりんちゃんは、周りの男性陣に「すみません」と声をかけてから、私と美瑠久ちゃんの元に笑顔で歩みよってきた。

「こんばんは〜!」

「こ、こんばんは・・・」

向けられた満面の笑みが、逆にちょっと恐ろしい。

そう思って構えていると、私の目の前に来たところで、まりんちゃんは笑顔を消して、突然怖い顔になる。

「・・・橘内さんでしょ。五十嵐さんを来れなくしたの」

「えっ」

一瞬意味がわからずに、私はきょとんとしてしまう。

すると彼女は「とぼけないで」とさらに詰め寄ってきた。
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