リアルな恋は落ち着かない
「あのですね・・・!」

状況を説明しようとした美瑠久ちゃんだが、まりんちゃんはまた「怖〜い」と言って中尾さんの影にさっと隠れた。

そして「大丈夫です、行きましょう」と怯えた様子で中尾さんの手を引っ張って、男性陣の群れにさっさと戻って行ってしまった。

去り際、中尾さんは、困惑した表情で私たちに向けてぺこりと軽く頭を下げた。

「むっか〜!!なんですかあれ!!『大丈夫です』って!あれじゃ、私たちがいじめて、それでも気丈に振る舞ってる、健気な女子みたいじゃないですか!!」

「・・・うん」


(そう見えるよね・・・)


やっぱり、まりんちゃんはいろんな意味で怖いと思った。

部長に申し訳なかろうとなんだろうと、理由をつけて欠席すべきだったかもしれない。


(でも・・・)


と、さきほどの彼女のことを考える。

ああして怒るということは、まりんちゃんも、彼からの連絡はなかったということになる。


(だからって、何もできないのは結局変わらないけれど・・・)


やっぱり、五十嵐くんとまりんちゃんは恋人関係ではないと、そんな予感だけは強まった。









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