リアルな恋は落ち着かない
(・・・ダメだ。もう、無理)


どうなってしまうかわからない。

けれどもう、これ以上彼女のペースに巻き込まれるのは、耐えられそうにないと思った。

嘘はやめてほしいって、それだけでも言わなきゃダメだと、そう思って、口を開きかけた時だった。

「あー・・・、イライラする」


(・・・え?)


私の左隣から、ぽつりと呟く声がした。

それは、今までほぼ無言だった、井崎さんの声だった。

「我慢限界」

ひとりごとのように呟くと、井崎さんはカバンから携帯を取り出して、なにやら電話をし始めた。

ごにょごにょと、小声で何かを話してる。

そして手短に用件を済ませると、携帯をしまい、気分を変えるようにビールをゴクゴク飲みこんだ。

その、ほんの数秒後。



ピーーーーーーーーッ!



「!?」


(な、なに!?)


けたたましいホイッスル音が、突然、ふすまの外から鳴り響いた。

驚いて、耳を押さえる私たち。

そして「なんだなんだ!?」とみんなで戸惑っていると、突然、部屋のふすまが勢いよく右にスーッと開かれた。
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