リアルな恋は落ち着かない
「申し訳ない、数分ほど」

ももさんの声に合わせ、突然、部屋の電気がパチンと消えた。

いきなり暗くなった室内に、みんな「なに!?」とざわざわ騒ぎ始める。
 
その直後、私の後ろにある壁に、2m四方の薄オレンジ色の明るい光が映し出された。

「な、なんだなんだ?」

「今度はなにが始まるの?」

口々に疑問を呟きながら、みんなで壁の方を見た。

すると光は、色を帯びた映像になり、ドラマのように動き始めた。

「!」


(こ、これ・・・)


それは、私とまりんちゃんが、向き合って話をしている映像だった。

場所は、会社のエレベーターホールの後方にある、植木鉢や水槽の置かれた奥まった小さなスペースだ。

まりんちゃんの、冷え切った怒りの表情が一瞬アップで映し出された。

無音だった映像が、徐々に音を出していく。



『「好きな人がいるから」って、五十嵐さんに言われました。それって・・・橘内さんのことですよね?』

『昨日も、五十嵐さんの方が必死な感じだったけど。信じられない。こんなオバサン』



「ちょっ・・・!な、なんなの・・・!?」

暗がりの中、まりんちゃんが大声を出す。

けれど映像は、そのまま流れ続けていく。



『橘内さんて30歳くらいですか?五十嵐さんより年上ですよね』

『そ、そうだけど・・・。いっこしか違わないし・・・私は、26です!!』

『えー!?やだ、マジで?逆に見えなーい』


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