リアルな恋は落ち着かない
私の気持ちは真っ暗だけど、月曜日の空は、励ましてくれるようなとてもキレイな青だった。

けれど、会社へ向かう足取りは重い。

一歩一歩、鉛の重さが増えるように、差し出す歩幅は小刻みだった。


(光之助とのデート・・・ゲームも、それどころじゃなくて土日とも全くできなかったし・・・)


五十嵐くんと、どんな顔をして会おう。

すでに言いふらされていて、みんなが知っていたらどうしようかと、胃の痛む思いで会社の自動ドアをくぐった。

「おう、おはよう橘内さん!」

受付をすぎ、エレベーターホールに向かうところで、ちょうど向坂部長と鉢合った。

部長はいつもと変わらない。

「あっ、部長ー!橘内さん、おはようございます!今日はいい天気ですね」

続いて七瀬(ななせ)係長も登場したけど、いつもとやっぱり変わらない。


(・・・二人とも知らないみたい。そうだよね、週末にわざわざ言いふらすようなことはしないかな・・・)


とりあえずほっとしたけれど、会社が始まった今、どこかのタイミングで言い出さないとも限らない。

私はやっぱり落ち着かないまま、部長と係長とともにロボット開発部のフロアに向かった。

「みんな、おはよーう!」

部長の元気な挨拶に、すでに出社していた社員たちは、こちらに顔を向けて「おはようございます」とそれぞれ挨拶をしてくれる。

その中に、阿部課長もいたけれど、いつもと変わらぬ優しい笑顔で、私を見ても特に変わった様子はなかった。
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