リアルな恋は落ち着かない
「ちょうどいい時に飲み会があるってことで。メインで考えたのは、花山さんだそうですけどね。

井崎さんもかなり熱心に考えてたそうですよ。

自分もコスプレしようかなって、真面目に言ってたみたいだし」

「えっ!?」


(い、井崎さんが!?)


「まあ、タイミングとかもあって結局やめたそうですけどね。ちょっと見てみたかったかな。井崎さんのミニスカートポリス」

「・・・確かに・・・」

でも、もし井崎さんがコスプレしてたら、まりんちゃんがどうこうという騒ぎ以上になった気がする。

今回、井崎さんの意外な面が、次々と明らかになったと思った。


(無関心なようで心配性で・・・会社では無口だけど、趣味仲間とは交流深くて・・・)


でも、悪いギャップじゃないなと思う。

井崎さんのことを考えて、なんとなく楽しい気分になっていると、五十嵐くんはちょっと笑った。

「・・・と、いきさつはこんな感じです。橘内さんに言わなかったのは、多分全力で止められるからって、花山さんの判断です」


(・・・まあ、止めたよね・・・)


ももさんよくわかってる・・・と思いながら、私は、目の前にいる彼をやっと直視することができた。

袴姿に白い鉢巻き。

いつにもまして、その姿はかっこよくてドキドキとする。


(これは、聞かないわけにはいかないところ・・・)


私はまた、ちょっと目を逸らしながら、おずおず疑問を口にした。

「あの、それで・・・五十嵐くんはどうしてそんな恰好を・・・」

リアル光之助の五十嵐くん。

だけどなぜ光之助なのか、私はそれがわからなかった。
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