リアルな恋は落ち着かない
(無理・・・この距離、無理・・・)


なんとか必死で、目線を彼からそらすけど。

いっぱいいっぱいすぎる私は、それ以上、1ミリたりとも動けなかった。


(でも、これは、困る・・・)


「あ、あの・・・一度、手を離して・・・」

「なんでですか」

「だ、だから、気持ちを、こう、整えて・・・」

私は完全にパニック状態。

上手く言葉が発せずに、口をパクパクし続ける。

彼はそんな私をしばらくじーっと見ていたけれど、突然「ぷっ」と噴き出して、顔を崩して笑い出す。


(・・・え!?)


「・・・やっぱ、おもしろい」

「!?」


(お、おもしろい・・・!?)


これは・・・完全にからかわれてた!?

ドキドキとする状況で、突然「おもしろい」って笑われるとは。


(なんか・・・ひどい・・・)


恥ずかしくて、そしてなんともいえない怒りを感じた。

私はぐっと首を振り、一気に彼の手から逃れた。

すると五十嵐くんは慌てた様子で、「ごめん」と言って謝った。

「おもしろいって、別に、ばかにしてるわけじゃなくて」


(・・・あやしい・・・)


「じゃあ、なんで・・・」
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